人間は三(3)ですべてを考える
人間とはなにか。この問題を解き明かすのは至難の技である。人間が人間のことをいくら考えようと、誰がどのように考えようと、そもそも人知を超えることができない。
ところが、そんな難解な問題に長く取り組んでいる集団が古来より二つある。「全ての答えを神に委ねる宗教界」と「全ての答えを人知で解き明かそうとする科学界」である。
ただし、この二つの集団は、時に個々人においては近づき混じり合いはするものの、集団としては決して歩み寄ろうとしない。問題に取り組む姿勢が真逆である以上致し方ない。
しかし、人間が暮らすこの世界を俯瞰的に眺めてみると、双極は対立するものではなく、相補相関関係的に互いが互いの母となり子となって、ぐるぐると循環していることに気づかされる。しかも、自然現象であろうと作意的な人工事物であろうとこのルール下から逃れることはできないことにもやがて気づく。
例えば、日の出とは日の入りが生み出すものであり、日の入りは日の出が生み出すものである。双方を切り離すことはと到底叶わない。仮に切り離すことができたとしても、それは双方の消滅を意味する。寒/熱、高/低、明/暗、山/谷、貧/富、摂食/排泄、善/悪、愛/憎、醜/美等々、すべての二項は対立しているのではなく、互いが互いを生み出すという循環のルール下にある。
しかるに、この世界において双極二項を対立的に捉えては本質的な答えにたどり着けない。もし双極二項が循環していることに心底気づくことができなければ、その人生はあてどない砂漠を歩き迷い続けるに等しいことになるだろう。
本サイトは、双極二項循環を心底理解するための方法論および実践法を、三(3)という数字に託して紹介していく。西洋でも東洋でもない中洋とでも呼べそうな話題を頼りに、人間とはナニモノかに迫っていく。
三とは、中間・中庸・中道というグレーゾーンを双極二項に加えた数字である。
三とは、人間の命から思考・行動・全てに脈打つ最大公約数である。
三とは、マイナス(一/1)とプラス(+/2)の交わり(三/3)である。
マイナスとプラスという双極二項が存在するだけでは電気は流れないし、灯りも灯らない。マイナスとプラスが交わることで、はじめて電気は流れ、灯りが灯る。
命とは双極二項の交わりから生まれる灯りに等しい。その灯り(=命)を理解するべく三(3)に迫ろう。